おやすみレニー
『The story which one lady will tell.
Is about Kathleen Livermore
and her lovable family.』NA:Ike Nelson
生 まれつき... 病弱 だった... 息子 の 世界 は... 《寝具》 の 上 ...
残 された 数 ... 誰 にも 告 げず... 刻 み 続 ける... 小 さな 胸 ...
友達 が 出来 ない アナタが 寂 しくないよう
庭 に 色 とりどりの 花 を 植 えました
アナタの 大好 きな 絵本 も 読 みましょう
いつまでも 傍 で 誰 よりも 愛 しているから!
丈夫 に 生 んであげられなかった 《母》 を 赦 してください...
苛酷 な 船旅 が お 腹 の 中 のアナタに どれほどの 負担 をかけたのでしょう...
「ありがとう」── 《私の胎内》 を 選 んでくれて...
「ありがとう」── 《お父さん》 と 《お母さん》 に してくれて... 本当 に...
私達 夫婦 は... 命 を 掛 けて 《大切な宝物》 を...
アナタを 絶対 に 幸 せにするから!
『Then, the lovable family arrived.
The country of Liberty America.』NA:Ike Nelson
《大飢饉》 耐 えられたのは 兄 の 援助 のお 陰 で
《連鎖移民》 されど 彼 の 消息 は 知 れず...
追 って 《新天地》 で 私 わたし 達 たち が 最初 さいしょ に
住 す んだ 街 まち は 《黄金によって栄えた都市》 金 きん の 都 みやこ 夢 ゆめ の 《桑港》 サンフランシスコ
《息子》 レナード が 産 う まれた 《朝》 とき とても 難産 なんざん で...
《夫》 ショーン は 泣 な きながら 「ありがとう」と 何度 なんど もキスをした...
それからは 家族 かぞく 三人 さんにん で 寄 よ り 添 そ うように 生 い きてきた...
夫 おっと は 薬代 くすりだい 稼 かせ ぐ 為 ため に 身 み を 粉 こ にして 働 はたら き As time goes by...
『And then. Her lovable family had in new encounter
that could have been good luck or bad luck.』NA:Ike Nelson
夫 おっと の 《新しい仕事》 しごと の 都合 つごう で 移 うつ り 住 す んだ 《山間の街》 まち で
息子 むすこ を 気軽 きがる に あだ 名 な で 呼 よ ぶ 初 はじ めての 友達 ともだち が 出来 でき た
かぼちゃ 頭 あたま だなんて 変 へん てこなあだ 名 な
でも... あなた 分 わ かってるじゃない?
それがあの 子 こ の 《便宜上100としておくが無限に》 ひゃく ある 可愛 かわい いところの 1 ひと つよ!
私 わたし 達 たち はその 晩 ばん ... 嬉 うれ しくて... 嬉 うれ しくて... 泣 な きました...
私 わたし は 結婚 けっこん しても 姓 せい が 変 か わらなかった
何故 なぜ なら 夫 おっと も 同 おな じ Livermore リヴァモア 縁 えん て 不思議 ふしぎ でしょ?
まさか 《初めての友達》 ジョニー の 姓 せい も Livermore リヴァモア だなんて
鳴呼 ああ 神様 かみさま って 素敵 すてき じゃない?
とても 粋 いき な 演出 えんしゅつ に この 時 とき はそう 思 おも った……
私 わたし 達 たち はその 晩 ばん ... 可笑 おか しくて... 可笑 おか しくて... 泣 な きました...
それから ジョニーと 二人 ふたり
何 なに を 企 たくら んでたの?
秘密 ひみつ にしてたつもりでしょ
でもママは 何 なん でもお 見通 みとお しよ
初 はじ めてのハロウィン そんなに 楽 たの しかったの?
はしゃぎ 過 す ぎて 心臓 しんぞう も ビックリしちゃったのね...
お 医者 いしゃ 様 さま が 告 つ げた アナタに 残 のこ された
数字 すうじ を 聞 き いた 時 とき 目 め の 前 まえ が 真 ま っ 暗 くら になったけど……
あんなに 楽 たの しみにしてた 最後 さいご のハロウィンだから
散々 さんざん 考 かんが えて 参加 さんか を 許 ゆる したわ……
私 わたし 達 たち はそう 決 き めたの 誰 だれ のことも 恨 うら まないと
《運命》 神 かみ も__ 《友達》 ジョニー __も 自分 じぶん 達 たち も 含 ふく めて
あの 子 こ の 寝顔 ねがお が 笑 わら っていたから……
──おやすみ
おやすみレニー 今日 きょう はいくつ お 菓子 かし もらった?
寝 ね る 前 まえ に 歯 は を 磨 みが くのよ... じゃなきゃ... 虫歯 むしば になっちゃうから!
「あの 子 こ は、 今 いま も 何処 どこ かで
終 お われなかったハロウィンの 続 つづ きをしているのだと 思 おも います。
カボチャみたいな 頭 あたま の 男 おとこ の 子 こ を 見 み かけたら、
それはレニーかも 知 し れません。
私 わたし のお 話 はなし はこれでおしまいです。
作 つく り 話 ばなし だと 思 おも うのならそれでも 構 かま いません。
それでも、あなたが 眠 ねむ る 前 まえ の 三 さん 秒 びょう でいいのです。
その 瞬間 しゅんかん だけは、
すべての 悩 なや みや、 憎 にく しみ、 悲 かな しみを 忘 わす れて...
こう 言 い ってもらえませんか?」Kathleen Livermore CV:木村花代
「おやすみ レニー」Kathleen Livermore